最高裁は、7月15日、賃貸住宅の契約で、首都圏および京都府・滋賀県で行われている商慣習である「更新料特約」を有効と認めた(朝日15日夕刊)。更新料とは、賃貸借契約を更新する際に借り手が貸主に1〜2年毎に家賃の2カ月分程度を支払うことで、上記の地方では定着していると言われる。
しかし、これが消費者契約法の「消費者の利益を不当に害する契約は無効」とする条項に反するのではないかと借主側から争われ、高裁の判断は有効とするものと無効とするものとに分かれていた。そこに今回の最高裁の初判断であり、これで原則有効説が確定したことになる。最高裁の判断理由は、更新料特約は最初から契約に明瞭に謳ってあるので、そうと知って借主も契約したのだから、この契約は守らなければならないというところにある。
しかし、こういう特約がある場合に消費者を救済するのが消費者契約法の筈で、店子と大家という力関係に差がある場合に救済しないのは不当と考える。
九州には更新料特約という商慣習はないが、「敷引き特約」と言って、明け渡しの際に大家が店子に返還する敷金につい、何カ月分か定額で控除する特約をすることがある。3月に最高裁は、これも契約として原則有効としており、今回の更新料特約有効はこの流れに沿うものである。
もう少し消費者保護の観点を持って欲しいものである。