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2011.03.27(日)

空想法律読本

盛田栄一

ウルトラマンが怪獣との格闘でビルを破壊した。そのビル破壊の損害賠償責任をウルトラマンは負うのか。仮面ライダーがライダーキックで怪人を倒したら殺人罪になるのか。Etc.

殆ど、冗談の本であるが、中々楽しい。

確かに法律的に考えたらそうなる、という法律家の目からみたら妥当な思考過程が書かれてあるのだが、法律に素人の人が読まれたら或いは驚かれるかもしれない。その意味で、楽しい法律の入門書である。

そもそも法律は「人」にしか適用されない。では宇宙人であるウルトラマンには法律は適用されないのではないか、という疑問を著者は立てる。それに対する回答は、ウルトラマンは地球人ハヤタ隊員すなわち「人」と合体して活動しているのだから「人」性を持っている、従って法律は適用される、という風に話は運ぶ。同じように、仮面ライダーは人か、キカイダーは人か、エイトマンは人か、という疑問が湧くのだが、著者はそれぞれに答え、いろんな法適用を考えていき、中々に思考パズルとして楽しい。

矛盾した言い方だが、真面目な冗談である。楽しんで法的知識も身に付く。一読して損はない。


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