甲能法律事務所甲能法律事務所
検索
福岡市弁護士甲能ホーム日記インデックス2015.11.1(日):再録 安全保障法制改定法案の採決に抗議する日弁連会長声明

日記インデックス

2015.11.3(火)

まずはホークス日本一、おめでとうございます!!

 今日はプロ野球の話ばかり書くつもりでいて、とりあえず今は反国民・反憲法の愚劣・低劣な安部政権に対する怒りは措いておくので、プロ野球に興味のある方しか読めないかも知れない。予めお断りしておく、やたら長いし。

 余りの弱さに生卵を投げつけられたりしたダイエー時代を耐え頑張りぬいた王会長が日本一を喜ばれるお姿を、ここ何年か拝見しているが、その度に感慨を新たにする。良かったなぁと思う。別に福岡市民だからホークスを応援しなければならない訳では勿論ないが、僕は王会長を応援する。都落ちの果てに中央を見事に見返した方(その点は菅原道真とは違う)として、心情的にどうしても応援してしまうのだ。王会長の選手としての個人記録や国民栄誉賞が立派なのは論を俟たないが、指導者としての力量も素晴らしくて(尤も監督の終りがけ癌とも闘いながらの監督業はお労しかったが)、私はそこに反中央を見てしまう。それが多分に私の色眼鏡による偏見であることは自覚しているつもりだ。

 そもそも私はガキの頃から、球界の盟主を標榜する某球団が大嫌いなのだ。「球界の紳士たれ」なんて言って、やってることは今は野球賭博であるが、昔もひどかった。「空白の一日」なんて下劣で幼稚な野球協約解釈を持ち出して我が儘を通した江川事件ってのもあった(もはや大昔の話だが、今でも野球解説者でいかにも人の良さそうな風をして彼が出て来ると私なんかはムカつく)。最近は手を引いたのだろうが、特にオーナーが大嫌いだった。「選手風情が何を言うか」と暴言を吐いて顰蹙を買ったのももうかなり昔だが、選手に対するリスペクトがない、というより、選手に限らず周りを見下して横車を押す傲慢な態度が許し難かった。例えば、オリンピックで野球が正式種目だった頃、自分の球団の選手は出し渋ったくせに、自分の球団の始球式にはちゃっかりオリンピックで活躍したアスリートを呼んだりする。特に許せなかったのが、よその球団が手塩にかけて育てた名選手を金に飽かせて掻き集め、手駒として余っても他球団で活躍されると困るので手元で飼殺しにして、選手生命を腐らせる。ほんとにロクでもない球団だった。今はマシかと言えば、先に書いたように、野球賭博である(尤もホークスではないにしても、九州の球団としては八百長試合の前科はあることが辛い)。

 ただ、ホークスが最近、私の嫌いな金満球団になりつつあるのではないか、と少し心配している。今度の日本シリーズにしても、スワローズの選手の年俸総額はホークスの選手の年俸総額の6割くらいしかないそうである(金額は忘れた)。このシリーズで活躍した選手も豊富な資金力で掻き集めた助っ人外人投手で勝利の半分2勝をし、押さえの切り札も助っ人外人投手で、打者でMVPを取った選手も助っ人である(断っておくが私は彼らが大好きである)。スワローズも助っ人は沢山いたのに活躍しなかったのだから、一概に金満球団の勝利と決め付ける訳にはいかないが(もちろん金さえかければうまく行く訳ではない。今年のオリックスがいい例)。ただ、生え抜きの選手も沢山育って来てとても活躍しているのだから、その意味では、今季の日本一という目の前の目標と、連覇を狙うという将来的な目標とを、うまく噛み合わせて行くという球団経営が成功している例なのだろう。ドラフトでも即戦力の大卒・社会人など見向きもせず、6名全員高卒18歳の若者たち(法的には未成年・少年!)を獲った。時間をかけて二軍・三軍で鍛え上げる計画なのだろう。二軍専用球場の建築も始まったばかりだし。豊富な資金力を生かして、着々と常勝球団への道を進んでいる。

 その成功を支えているのが、孫オーナーである。優勝のビールかけで、小柄で髪の毛の薄い孫オーナーが、自分の息子か孫かと思われる大柄な野球選手たち大勢に囲まれて「最高だぁ!最高だよぉ!」なんて甲高く喚きながら、日本酒の樽酒を頭から浴びてズブ濡れになったりしているのを見ると「いい人だなぁ。どこぞの老害オーナーとは偉い違いだ」なんてつい思ってしまう。

 しかし、孫オーナーが野心に溢れた世界的な実業家であることは周知の事実で、ホークスという球団を持っているのは、旦那衆が道楽で競走馬の馬主になるのとは訳が違う筈だ。ビールかけのドンチャン騒ぎに紛れて、実は実業家としての冷徹な計算が働いている。NHKを始めプロ野球を扱うメディアで「ソフトバンク」が連呼されれば、その宣伝効果は計り知れない。そして、このホークスを常勝球団に育て上げ、いずれは日本のみならずアメリカ大リーグを呑み込み文字通りの「ワールドシリーズ」に食い込んで、世界のプロ野球界の覇者になるという野心を宿していると私は見ている。それは「ソフトバンク」の本業で、マイクロソフトやアップルを抜こうという野心の一側面ということになろう。

 で、この辺りからが複雑なのだが、私は贔屓の球団には勝って欲しいが強すぎても実はつまらない。勝ったり負けたりしながらその勝敗に一喜一憂し、やっとチャンピオンフラッグを掴み取る過程を応援するのが、ファンの醍醐味なのである(昨年のホークスのリーグ終盤の連敗を経てやっと最終試合で優勝した時の喜びったらなかった−秋山監督の涙にも共感した)。孫オーナーが世界制覇の野心に燃えて金を注ぎ込み常勝球団を造るのは結構なのだが、我儘な一プロ野球ファンとしては一球団だけが強すぎるのは面白くない。残念ながら、今年は終盤セ・リーグの方が面白かった。勝率5割前後の低レベルの争いだったが。私がホークスファンでなければ、今年のパ・リーグの終盤は面白くなかったと思う。

 ホークスが盤石の基盤を築いて常勝球団になっても、王会長が頑張っておられる限り、私はホークスを応援するが、王会長が球団経営の一線を退いたら、どうなるかわからない。その頃のホークスがドングリの背比べの一員だったら応援しているだろうが、どこかの国の政治の様にホークス一強に多弱になっていたら、別の弱い球団を探して応援することになっている気がする。


2015.11.1(日)

再録 安全保障法制改定法案の採決に抗議する日弁連会長声明

本日、参議院本会議において、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案(以下併せて「本法案」という。)が採決された。

当連合会はこれまで、昨年7月1日の閣議決定及び本法案について、政府が憲法第9条の解釈を変更し、これを踏まえて法律によって集団的自衛権の行使を容認することは、憲法の立憲主義の基本理念、恒久平和主義及び国民主権の基本原理に違反することを、繰り返し指摘してきた。また、後方支援の拡大や武器使用の拡大等の立法も、自衛隊が海外において武力の行使に至る危険性を高めるものとして、同様に憲法に違反することを指摘し続けてきた。

本法案の国会審議が始まってからは、衆議院憲法審査会における3名の参考人をはじめとする多くの憲法学者、歴代の内閣法制局長官、さらには元最高裁判所長官を含む最高裁判所判事経験者が、本法案の違憲性を指摘するに至った。

これに対し、国会における政府の説明は極めて不十分であり、本法案に対する国民の理解は深まることなく、今国会での本法案の成立に反対する意見が世論調査の多数を占めていた。こうした民意を無視して十分な審議を尽くさないまま、参議院特別委員会が採決を強行し、参議院本会議において本法案が採決されたことは、立憲民主主義国家としての我が国の歴史に大きな汚点を残したものであり、強く抗議する。

これまで、学生や子を持つ母親などを含む様々な人々が、デモや集会に参加するなど、本法案に反対する動きが全国各地に広がったが、このことは、我が国の民主主義の健全性をあらためて示したものといえる。当連合会は、今後も国民・市民とともに、戦後70年間継続した我が国の平和国家としての有り様を堅持すべく、改正された各法律及び国際平和支援法の適用・運用に反対し、さらにはその廃止・改正に向けた取組を行う決意である。

 

  2015年(平成27年)9月19日

日本弁護士連合会      

 会長 村 越   進